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■笑顔ですす塗り合い
2012.02.07
石巻市長面、神事「アンバサン」
避難地から住民駆け付け/
 東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた石巻市長面の大杉神社で5日、顔にすすを塗り、大漁や豊作、息災を祈る神事「アンバサン」が行われた。避難先から駆け付けた総代や地区役員、氏子青年会会員ら約20人が笑顔ですすを塗り合い、一年の平穏を祈った。

 神社は高台にあり、津波の被害を免れた。高橋範英宮司(61)が太鼓を打ち鳴らし、祝詞をあげた後、玉ぐしをささげた総代らのほおや額に、輪切りにした大根ですすを塗り付けた。参列者や見物客もすすを付け合い、境内に笑い声が響いた。

 眼下に広がる地区に向かい、全員で「安波(あんば)大杉大明神、悪魔を払うてヨーイヤナー」と3度唱えた。

 津波で大川小2年だった孫の怜君=当時(8)=を亡くした主婦永沼容子さん(61)は「惨事が二度と起きないよう祈った。穏やかな一年であってほしい」と話していた。

 児童74人が犠牲になった大川小学区にある長面地区は、追波湾からさかのぼった津波で、人口の2割に当たる106人が犠牲になった。地盤沈下で全144世帯が地区外への避難を余儀なくされている。

 アンバサンの由来は明らかではないが、300年以上の歴史があり、大漁を祈願し、安らかな波になるよう願って「安波(あんば)さん」と呼ぶようになったという説がある。高橋宮司は「今年は、その願いがひとしお。住民でにぎわう長面地区に戻るよう、祈りを込めた」と語った。

【大根に付けたすすを顔に塗る神事「アンバサン」=石巻市長面の大杉神社】
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