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お客の声に支えられ
2012.01.14
丸入商店=気仙沼復興商店街
「商いの原点に返る」/
 「いらっしゃい。今日はメカジキいくら要るの」
 昨年12月下旬に気仙沼市南町にオープンした「気仙沼復興商店街 南町紫市場」。その一角にあり、魚介類を扱う丸入商店(斉藤秀和社長)は、早朝から威勢よい声が響く。

 店は大正期に創業。もともとは、気仙沼市南町にあった通称・ハーモニカ長屋に構え、後に弁天町に移設した。関東地区などの飲食店に、気仙沼産の魚介類を卸したり、地元で使う婚礼用の焼き魚を扱ったりしてきた。

 東日本大震災では、店舗が流失した。南町にあった自宅も被災したため、市内のアパートに夫婦で暮らす斉藤社長(65)。探していた空き店舗は見つからず、一時は「跡継ぎがいないし、年もとっているし」との考えが頭をよぎり、店を閉じようかと考えた。

<絆生まれる>
 だが、市内の得意客らから店の再開を望む声や、南町紫市場への入居を勧められたこともあり、営業を再開した。震災は「時代の転機」ととらえ、軸足を置いていなかった小売りを広く手掛けるようになった。

 オープンして間もないが、買い物客からは「震災前は店の前をよく通っていたのよ」などの会話もあり、新しいつながりも生まれつつある。

 欲を言えば「マグロやメカジキなどを加工する専用の場所がほしい」と斉藤社長。約20平方メートルの店は、組み立て台を使って大型魚をおろさなければならない手狭さはあるが「まずは商売を再開できて何より」と喜ぶ。

<取引先も力>
 もうひとつ、うれしいことがあった。震災前からの取引先で、埼玉県越谷市の居酒屋などが、店内に1口500円の募金箱を設置して、思わぬ支援をしてくれた。

 斉藤社長は「新しく付き合う方とも、なじみのお客さまも、大事につきあう。商いの原点に返りたい」と張り切っている。
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