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■「フェリー亀山」着水
2011.08.20
陸から5カ月ぶり
気仙沼・大島の浦の浜
10月上旬ごろ復帰へ/
 東日本大震災の津波によって気仙沼市大島の浦の浜港の陸地に打ち上げられていたカーフェリー「フェリー亀山」(306トン、定員250人)が17日、旅客船「海来(みらい)」(160トン、定員300人)が19日、サルベージ船の大型クレーンにつり上げられて、約5カ月ぶりに海に戻った。所有する大島汽船(白幡昇一社長)は、2隻を市内の造船所に運び、修理、点検を経て10月上旬ごろの大島航路“復帰”を目指す。陸に打ち上げていた時は“震災のシンボル”とまで言われた2隻だが、航路復帰後は“復興のシンボル”として活躍する。

 作業には海洋工事・建設会社「吉田組」(本社・姫路市)が所有する1万トン級サルベージ船「第28吉田号」が使われた。2隻とも海から100メートルほど離れた打ち上げ場所から、多軸車と呼ばれる特殊運搬車両に乗せ、海から30メートルほどの地点まで移動。船底まで回した特殊繊維のロープ8本を大型クレーンにつないでつり上げ、船体を地上から5メートルほど浮かせた状態でサルベージ船が後退して海に着水させた。

 吉田号の大型クレーンは高さ80メートルで3000トンまでつり上げる能力がある。重量約360トンのフェリー亀山、約170トンの海来をつり上げる様子を多くの住民が固唾(かたず)をのんで見守った。21日は、浮桟橋(重量約500トン)も同じ作業で海に戻される。

 2隻は大島汽船の小型旅客船2隻とともに浦の浜港の浮桟橋に係留されていたが、津波で浮桟橋ごと陸地に乗り上げた。

 海に戻ったフェリー亀山の操舵(そうだ)室の上には、津波で被災した汽船ターミナルの中から見つかった船名の旗が掲げられていた。旗を自宅に持ち帰り、数日掛けて泥や油を洗い流した大島汽船の村上みね子取締役(50)は「やっと船を海に帰すことができた」と着水の瞬間、感激の涙を浮かべた。

 17日の作業を見守った村上信男さん(72)=同市中山=は「住民の大切な“足”が戻ったようでうれしい。島の復興にフェリーは不可欠。一日も早く航路に復帰してほしい」と期待した。

 大島汽船は、震災前までフェリー2隻、旅客船5隻の計7隻を所有していた。
しかし津波で3隻が焼損、水没。陸に上がった4隻も使用できないため、県内の汽船会社から旅客船2隻、広島県江田島市からカーフェリー1隻を借りて大島航路を維持してきた。
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