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■舞根、集団移転推進を要望
2011.06.04
気仙沼市に財政負担の壁
国へ制度見直し要請へ/
 国の「防災集団移転促進事業」による高台への集団移転を目指す気仙沼市唐桑町舞根地区の住民が1日、市役所で菅原茂市長と面談し、事業推進をめぐり議論を交わした。住民の命を守る高台移転の重要性では見解が一致するものの、財源論や国の制度の壁などが早期の着手を阻む。地方だけでは荷の重い事業だけに、生活再建を急ぐ住民の立場で国の積極的な支えが不可欠と言えそうだ。


 要望したのは、大震災で被災した住民らでつくる舞根地区防災集団移転促進事業期成同盟会の畠山孝則会長ら10人。畠山会長が5月29、30の両日、地区住民で実施した新潟県長岡市への視察結果も報告しながら、防災集団移転促進事業の実施を求める要望書を菅原市長に提出した。高台移転事業進展に向けた市の協力、連携とともに、事業の一日も早い着工を求めた。

 菅原市長は「津波対策には防波堤や建物を高くする、避難路を広げるなどさまざまあるが、一番大事なのは発生時に寝ていても大丈夫なこと。そのために高台移転は重要。舞根地区も何とか成功させたい」と語った。

 一方で市長は、現行制度では市の財政負担が4分の1であることを説明。

「他地区でも集団移転が必要な所が多数あり、多額の費用が必要。現行制度のまま取り組むのは困難だ」と回答。大震災を受けて、国の負担割合を増やすなどの制度改正の動きがあることを示し、「見直しを早めてもらうよう国に要望していく」と語った。

 畠山会長らは納得せず「市に借金は残るかもしれないが、住民の生命、財産を守るためにはやむを得ないのではないか」「地域でまとまって具体的な提案をしている。今ある制度で早急に進めてほしい」と求めた。

 菅原市長は、制度の見直しに長時間を要すことはないとの見通しを示し「住民がまとまっている舞根地区については市内で一番に実現するよう配慮したい」と約束した。

 「防災集団移転促進事業」は災害が発生した地域や災害危険区域の住民の生命、財産を守るため、集団移転を促進する国土交通省の事業。10戸以上であることなどを条件に、住宅団地の用地造成、公共施設整備、移転などに掛かる経費の4分の3を国が補助する。市町村が事業主体となる。

 ただ、現行制度は比較的小規模で、平地間の簡易な移転しか想定していない面があるという。山間地を切り崩しての造成、取り付け道路の建設が伴うケースでは膨大な事業費が必要になる。

 舞根地区は東日本大震災で52世帯中44世帯が津波で家を流され、4人が亡くなった。残った8世帯も生活基盤に甚大な被害を受けた。それでも住み慣れた地区で生活したいという人は多く、4月24日には地元の高台へ集団移転を希望する26世帯で期成同盟会を設立(現在は29世帯が加盟)し、国の事業採択に向けた取り組みを進めている。
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