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■国文化財指定、朗報待つ
2010.02.12
気仙沼「十八鳴浜」と「九九鳴き浜」
市教委、意見具申書を提出/
 鳴り砂で知られる気仙沼市の「十八鳴(くぐなり)浜」と「九九鳴(くくな)き浜」の国文化財(天然記念物)指定を目指す気仙沼市教育委員会はこのほど、県を通じて文化庁へ意見具申書を提出した。文化庁は今年5月ごろまでに開催する「文化審議会」に国指定文化財にふさわしいかどうかを諮問。同審議会文化財分科会で審議して文化庁に答申する。結論は早ければ今年8月ごろ、市に報告される見通し。国指定文化財となれば、観光地としての知名度アップや環境保護の啓発につながる。関係者は期待しながら朗報を待っている。

 意見具申書は「十八鳴浜および九九鳴き浜」として二つの浜の一括指定を求めている。指定対象地域の範囲は浜の背後地、海域も含め十八鳴浜が約17.7ヘクタール、九九鳴き浜は約21.3ヘクタール。

 具申書では、十八鳴浜が、明治27(1894)年に鳴り砂の浜としてわが国で初めて地質専門誌に紹介され、鳴り砂調査研究の端緒になったことを紹介。

両浜とも、鳴り砂の生成やメカニズムを理解する上で、学術的な価値が極めて高いことを指摘している。

 天然記念物の価値としては、陸中海岸国立公園内の豊かな自然環境の中に存在することや、官民一体となった積極的な保全活動の取り組みで鳴り砂が維持されてきたことを強調している。

 全国には約30カ所(数は数説あり)の鳴り砂の浜があるが、国指定文化財は京都府京丹後市の琴引(ことびき)浜=2007年7月指定=の1カ所だけ。

指定が認められれば全国2番目、太平洋側で初めてとなる。

 十八鳴浜と九九鳴き浜は、長さ約200メートル、幅15〜20メートルとほぼ同じ規模。十八鳴浜は「十八鳴浜の砂」として、1973年4月に市指定天然記念物になった。九九鳴き浜は旧唐桑町が91年12月に町指定天然記念物に指定し、2006年3月の市町合併で市指定天然記念物になった。

 気仙沼市は01年、全国で鳴り砂保護に取り組む自治体の「全国鳴り砂ネットワーク」に加入、同年と09年に「全国鳴り砂サミット」の会場になった。

 09年のサミットを機に「鳴り砂を地域の宝として後世に伝えたい」と、市教委は国文化財の指定に向けた取り組みを開始。10年4月には文化庁調査官が2日間にわたる現地調査を実施し、同年8月には大島、唐桑地区で関係住民への説明会も開催した。

 市教委の白幡勝美教育長は「鳴り砂は他に誇れる気仙沼の自然と、その保護に関わってきた人々の生き方を示す地域の残産」と指摘。国文化財に指定されることで「人の癒やしの場だけでなく、海の浄化や小魚の生息場として水産業を支える砂浜の役割を多くの人々に知ってもらう。環境保全への関心も高まればいい」と願っている。

 気仙沼大島観光協会の白幡昇一会長も「市指定と国指定では観光PRにおけるブランド力が違ってくる」と期待。「名前の面白さも観光資源として活用したい」と語る。砂の鳴る「キュッ、キュッ」という音から派生した「九九鳴き浜」「9+9で18=十八鳴浜」などを売り込む考えだ。
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