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■被害予測、年代ギャップ
2010.02.05
チリ大地震津波・避難アンケート
若いほど認識不足
「浸水想定区域」「警報発表後の行動」/
 気仙沼市は、2010年2月のチリ大地震津波での避難状況について、避難指示対象地区住民に対するアンケート結果をまとめた。「津波浸水想定区域の認識」「宮城県沖地震での津波被害想定」などの質問で、高齢世代は想定区域への高い認識と大きな津波被害を予想する割合が多いのに対し、若い世代では認識が乏しく津波被害想定も低いという“年代ギャップ”があることが分かった。市は「若い世代への防災教育が重要」と、今後は出前防災講座などを通じて、子どもたちや保護者に津波の危険性や早期避難の必要性を呼び掛けていく。

 アンケート結果によると、チリ大地震津波での「大津波警報」を知っていたのは98%、「避難指示」の認知85%と高い比率を示した。

 しかし「自宅が津波浸水想定区域に入っているか」の問いに「分からない」が90代は約5%、70、80代は約10%なのに、20代は約30%、30代で約25%と若い年代ほど認識していない割合が多かった。「大津波警報発表後の行動」では、ほとんどの世代で「避難の準備」がトップだが、20代は「何もしない」が半数近くを占めた。

 近い将来、高い確率での発生が予想される宮城県沖地震に「津波が伴う」ことに関しては、20代で9割超が「知っていた」と答えるなど若い世代ほど認識割合は高い。

 半面、予想される被害では「明治三陸大津波のような大災害になる」が60〜80代で18〜20%なのに対し、20〜30代では約10%にとどまった。

 津波災害に対する年代のギャップは、昭和三陸大津波(1933年)やチリ地震津波(60年)を体験、または体験者から直接話を聞いたか、そうでないかによる差が大きいと考えられる。

 昨年のチリ大地震津波は、50年前のチリ地震津波を知らない若い世代にとって貴重な津波体験となった。しかし、養殖施設などに甚大な被害をもたらした半面、人的被害がほとんど無かったため、市危機管理課は「若い人たちに『津波とはこんなものか』と思われてしまうことが一番怖い」と懸念する。

 チリ大地震津波は震源が遠隔地だったため、地震発生(2月27日)から日本への津波襲来まで丸1日、津波警報発令(2月28日午前9時33分)から第1波(気仙沼は28日午後2時20分)到達まで約5時間の余裕があった。だが、宮城県沖を震源とする地震による津波は、時間的余裕が見込めない。

 市危機管理課は「津波対策は何より、日頃からの備えと意識が大切」と強調する。年2回の「ぼうさいイベント」や市内の小中学校や自治会などを対象に年間延べ20回ほど実施している「出前防災講座」などを活用。小中学生や30、40代の保護者に地震・津波の怖さや防災への正しい知識を普及させていく考えだ。

 アンケートは、市と東北大災害防御研究センターなどが昨年4月28日〜5月14日、同市沿岸部の123行政区(110自治会)の約1万3000世帯を対象に実施。回答は3357世帯で回収率は約26%だった。

◎13日、防災シンポジウム/市民意識高揚へ取り組み

 津波防災への意識を高めようと、気仙沼市は「気仙沼津波防災シンポジウム〜チリ地震津波から1年地域の取り組み・未来への取り組み〜」を13日午後1時から気仙沼中央公民館で開催する。

 東北大名誉教授の首藤伸夫氏が「気仙沼と津波」をテーマに防災講演する。

パネルディスカッションがあり、気仙沼市教委の白幡勝美教育長をコーディネーターに県気仙沼土木事務所、階上中、気仙沼小、市の関係者がパネリストとなって、津波に強いまちづくりへの取り組みや地域ぐるみでの総合防災訓練、デジタル防災マップづくり、防災教育支援事業への取り組みなどを紹介する。

 首藤教授、金森吉成氏(帝京大工学部教授)、今村文彦氏(東北大大学院教授)、越村俊一氏(同准教授)の4人がアドバイザーを務める。入場無料。多くの市民の来場を呼び掛けている。
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