■壮観、サンマ漁出船送り
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2010.08.21 |
船団感激「すごいっちゃ」
女性団体が初企画、市民300人集う/
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「何隻もの船が一斉に出港する光景は壮観だろうな」。気仙沼市の女性団体「つばき会」(斉藤貞子会長)が初めて企画し、12日に実施したサンマ船団への「出船送り」のきっかけは、こんな思いだった。初の出船送りは不安を抱えながらスタートしたものの、その取り組みは漁師や市民だけでなく、観光客にも地元の伝統を享受してもらう、気仙沼の新しい風物詩として期待がかかる。
「本当は、不安でしょうがなかった。前日も港に足を運び、本当に船が接岸されているのかを確認したほどだった」。つばき会事務局長の斉藤和枝さん(48)は出船送りを終えた後、こう振り返った。
ことし5月の遠洋マグロはえ縄船を皮切りに、これまで3回、3隻の出船送りをしてきたつばき会。「盛大な見送りを受けたら、漁師はどんなに張り切るか」(斉藤さん)。国際的なマグロ減船で、街の空気が停滞する中、今度はサンマ船団を対象に見送りを考えた。
各船の漁労長には、事前に船団での出船送りを承諾してもらった。が、気仙沼の漁業史の中でも、サンマ船を船団として見送るのは「初の試み」(つばき会)。盛大に見送りができるか、天候は大丈夫か、と斉藤さんは不安を募らせた。
それは杞憂(きゆう)だった。出船送りの当日。見送りに集まった人は約300人。紙テープがなびく中、10隻の船が出港し、思い描いていた壮観な光景が港に広がった。斉藤さんは「感動した。漁師だけでなく、わたしたちも勇気づけられた」。目にはうっすらと涙を浮かべていた。
船団の出船送りをする場合、船は同じ時間帯に出港する必要がある。それには「恥ずかしがり屋が多い」(つばき会)という漁師の協力が不可欠になるが、見送りを受けた漁労長らの表情は一様に明るかった。
第28豊清丸(172トン)の中舘捷夫漁労長(68)は「盛大な見送りは『魚を捕るぞ』という意欲がわくよ」。第8光洋丸(127トン)の千葉茂喜漁労長(62)も「張り合いが違うね。街の意気込みも感じる」と、サンマの不漁予測に沈みがちだった気分を高揚させた。
当日は台風4号の接近で、出港は翌日に延期されたものの、従来は個別に出港したサンマ船を船団で見送ったことに、出港式でマイクを握った菅原茂市長は「気仙沼の新しい文化だ」と、その取り組みをたたえた。
つばき会としては「気仙沼を知りながら、人と人がよくつながる」をコンセプトに活動を続けている。それを実現するために、漁師だけでなく、地元住民、観光客も巻き込んで、華やかな港町らしい風景を取り戻そうと懸命だ。
出船送りの文化にあらためて光を当て、「市民とともに喜ぶ観光」(菅原市長)という新しい取り組みが産声を上げた。
それを根付かせるために、地元への思いや誇りを胸に秘める「押しかけ女房」を自任する浜の女たちは、今後も明快なメッセージを発しながら街を引っ張っていく。
「どうっさ!気仙沼、すごいっちゃ!(どうだ、気仙沼、すごいでしょう)」と。
<つばき会>2009年夏に結成。気仙沼市内の回船問屋の役員やホテルのおかみら22人で構成する。気仙沼をPRしながら、観光客らのおもてなしをしようと集まった女性の会。 |
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