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■野蒜海岸一帯砂の堆積が深刻
2010.03.26
チリ大地震津波影響か
航行に支障養殖、観光SOS
県「激甚」指定要請へ/
 東松島市野蒜海岸一帯で、チリ大地震津波の影響とみられる砂の堆積(たいせき)が問題化している。海岸南側の潜ケ浦(かつぎがうら)水道や鳴瀬川河口では水深が浅くなり、干潮時は漁船や観光遊覧船の航行に支障をきたすほど深刻化。漁業者は「養殖作業も満足にできない」と表情は厳しい。観光シーズン本番を控える遊覧船関係者も「例年なら利用が活発となる春休みだが、見通しは不透明」と嘆く。窮状について市は25日、県に打開策を要望。県は「早急な対応を検討する」との方針を示した。

 潜ケ浦水道では以前から砂の堆積問題があったが、チリ大地震津波が襲来した2月28日はさらに大量の砂で埋まった。

 水路確保のため、県が漂砂対策事業で2008年に設置した板柵や大型土のうが損壊した上、約6000立方メートルの砂が流入。砂が幅約30メートル、長さ約300メートルにわたり堆積し、水深は浅いところで従来の半分以下の1メートル足らずとなった。

 カキ養殖漁場との往来で、同水道を26隻の漁船が利用している県漁協鳴瀬支所の仙石和男運営委員長は「干潮時は船底と海底が接触し、航行できない状態だ」と指摘。潮の状態に配慮しながら航行している。

 仙石運営委員長は「通常なら養殖作業に4時間以上も従事できる。しかし、潮の加減によっては2時間足らずで切り上げなければならない。作業の大幅なずれ込みは必至だ」と窮状を訴える。

 影響は漁船だけにとどまらない。同水道を運航する奥松島嵯峨渓遊覧船案内所は「干潮時は船外機を上げ、底がつかないようにして運航している。潮が満ちていても深いところを探して航行するが、乗客の安全確保の面で心配」と吐露する。

 年間約2万5000人の利用者がある。その先陣を切る春の観光シーズンを前に「春休みに入り家族連れの利用を期待したいが、こうした状況では厳しい」(同案内所)と苦渋の表情だ。

 砂の堆積は鳴瀬川河口の浜市漁港付近でも表面化。幅20メートル、長さ約200メートルにわたり堆積。量は4000立方メートルとみられ、漁船の航行に支障が出ているという。

 市は砂の撤去費用として、潜ケ浦水道分に4200万円、鳴瀬川河口分に2800万円の被害額を算出した。

 鳴瀬川河口は国土交通省の管轄で、市は既に民主党を通して復旧を要請。25日は市幹部や、市内にある県漁協の4支所の代表が県庁を訪ね、砂の除去や、漁業支援策を要望した。

 阿部秀保市長は「砂の堆積は、湾内と外洋の海水交換を阻害。水質悪化が進み、養殖漁業に大きな影響を及ぼす」と懸念した上で「被災により漁業者の生産意欲が失われないように配慮してほしい」と強調した。

 応対した伊藤克彦副知事は「県としても早期に対応し、国に対して激甚災害指定を要請する」と答えた。同席した仙石運営委員長は「災害復旧に向け、見通しが明るくなった」と県の姿勢に期待を寄せた。
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