トップニュースファイル≫2009年02月
■斎藤氏庭園 市が維持管理
2009.02.27
石巻 条例、運営経費を提案
国の名勝整備へ第一歩/
 国の名勝(国指定記念物)に指定されながら被災などで施設の損傷が問題になっていた「斎藤氏庭園」(石巻市前谷地)について、石巻市が新年度から維持・管理を担うことになった。市教育委員会が庭園の公有化に向け指定管理団体になることを文化庁に申請しており、近く認可される見通し。市は庭園を市施設として管理する条例制定と、運営経費を盛り込んだ二〇〇九年度当初予算を二月定例市議会に提案している。価格面などで折り合えば、〇九年度内にも庭園を取得する。

 近代庭園の中で観賞上、学術上の価値が高い特色ある庭園として、国の名勝指定を受けたのが二〇〇五年七月。以来、所有者の斎藤家は公的機関への所有権移譲を望み、文化庁も公有化を指定の前提にしていたが、財政難の市などが難色を示していた。

 打開策として斎藤家側が、市と県の用地・施設取得費の負担分を市、県それぞれに寄付することを提案。その線に沿って三者が協議して合意し、公有化計画が進展した。

 国名勝を公有化する場合、国が取得費の八割を負担。残る二割を地元の県、市が折半する。財政が窮迫する県は、当面の措置として負担額八百万円が限度としている。

 市は四月以降、庭園を不動産鑑定し、用地・施設の実勢価格を把握。所有権移転に関する交渉を具体的に進める。

 庭園は宮城県連続地震(〇三年)や、岩手・宮城内陸地震(〇八年)などで被災。土蔵が大きく損壊するなど、保存に向けた環境整備が急務となっている。施設の補修などは今後、管理団体となる市が担うが、改修費などについては国が半額を負担する。市教委は施設補修費に五億円かかると試算したことがある。

 市の条例案では、庭園を午前九時半?午後四時半に公開(冬季は午後四時まで。月曜日、年末年始は休園)。観覧料として一般五百円(高校生三百円、小中学生百五十円)を徴収する。

 斎藤氏庭園 東北屈指の大地主とされた斎藤家は約1400ヘクタールの農地を所有した。庭園は9代当主の善右衛門氏が明治後期に新たに拡張整備し、丘陵を含めて約2・7ヘクタールある。母屋南側と広間前面に二つの平庭と池が配置。邸宅背後に広がる丘陵地を一体の空間として構成し、樹木と林が四季折々の色彩をまとう。土蔵を活用した宝ケ峯縄文記念館、丘陵部への散策路、宝泉窟(くつ)、金名水と呼ばれる岩穴、わき水もある。
ニュースインデックスへ戻る
※本ページに掲載の記事・写真などの一切の無断転載を禁じます。
Copyright (C) 2002 SANRIKU KAHOKU INC. All Rights Reserved.
WWW.SANRIKU-KAHOKU.COM