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■どうなる斎藤氏庭園
2008.04.10
国の名勝だが…運営難
所有者 市へ有償譲渡したい
市教委 財政的に余裕がない/
 石巻市前谷地にある国の名勝「斎藤氏庭園」が運営難にあえいでいる。全国屈指の大地主だった斎藤家の邸宅があった歴史・文化的価値の高い施設だが、入園者の減少に加え、二〇〇三年の宮城県連続地震で被害を受けた土蔵の補修もできない状況が続く。困った所有者は石巻市への有償譲渡を希望するが、市教委は「財政難に加え、市民のコンセンサスが不十分」と平行線をたどっている。

 庭園は冬季閉鎖(十二月?三月)を経て今月から一般公開を再開したが、今後の見通しは厳しい。一九九三年の開園当初一万人に上った年間入場者が〇七年は千六百人まで落ち込み、施設維持費だけでも年間数百万円の赤字を抱える。

 加えて、宮城県連続地震で築二百年といわれる土蔵の壁が崩れるなどの被害が追い打ちをかけた。調査によると、補修に五億円程度かかるため、復旧のめどが立たないという。苦肉の策として、今季は受け付けに募金箱を置き、来園者に協力を求めている。

 十一代当主の故斎藤養之助氏の妻で現所有者の武子さん(七一)=仙台市青葉区=は、石巻市に庭園などの譲渡を打診した。武子さんは「このままでは維持が困難。公有化して残してほしい」と訴える。

 市教委は「大変貴重で後世に残すべき遺産の一つ」と価値を認めるが、(1)毛利コレクションの整備計画を進めており財政的に余裕がない(2)市議会や市民的な同意を得ることが難しい?などを理由に買い上げには否定的だ。

 市が文化財保護法に基づく管理団体になれば、所有者に代わって保存・管理に当たることができるが、所有者の同意が得られないという。

 庭園は九代当主の善右衛門氏が明治後期に造成し、旧河南町時代の〇五年に国の文化財の一つ「名勝」に指定された。指定範囲は本邸の庭園や丘陵地を合わせた二・七六ヘクタール。敷地内には宝ケ峯縄文記念館もあり、近くの遺跡から発掘された土器などを展示している。

 斎藤家は戦後の農地解放まで、東北地方を中心に約千四百ヘクタールの農地を有した全国屈指の大地主で酒造業や質屋も営んだ。一方で、ばく大な寄付活動をした篤志家としても知られる。
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