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■避難指示 不適切と認定
2008.03.28
第7千代丸遭難事故裁決
「連絡体制 改善を」
気仙沼の船主に勧告/
 女川港沖で二〇〇六年十月、気仙沼市のサンマ漁船「第7千代丸」(一九八トン)が遭難し、乗組員九人が死亡、七人が行方不明(死亡認定)になった事故で、仙台地方海難審判庁は二十七日、船主の山代水産(気仙沼市魚市場前)が気仙沼港などの安全な港への避難を指示せず、安全航行の確保に向けた対応も不十分だったことなどが遭難の一因だと認定し、連絡体制の改善などを勧告する裁決を言い渡した。

 藤江哲三審判長は「大船渡港や気仙沼港などの安全な港に避難していれば回避できた。荒天の中、サンマを満載した状態で航行することの危険性に対する判断が適切でなかった」と指摘。

 同社が(1)操業や航行をやめ避難するための風速や波高などの基準を決めていなかった(2)気象状況の変化を十分に把握せず、安全確保を各船に任せていた(3)基準を超える積載の実態を知りながら、気象に応じて制限するなどの具体的な指示をしなかった?ことなどから安全航行の確保が不十分だったと判断した。

 再発防止のため「船舶と船主、市場関係者間の情報連絡体制を整備し、関係者が船の運航に関する情報を共有することが望ましい」と強調した。

 裁決によると、千代丸は〇六年十月六日午後九時すぎ、女川港周辺の気象状態が悪化する中、暴風と高波を斜め後方から受けながら同港に向け航行。甲板から大量の海水が入り込んだためエンジンが停止し、遭難した。

 仙台地方海難審判庁から、船舶の安全確保に向けた業務改善などを勧告する裁決の言い渡しを受けた山代水産(気仙沼市)の畠山昭四郎社長(七一)は言い渡し後に記者会見し、「勧告を真摯(しんし)に受け止め、二度と悲惨な事故を起こさないよう再発防止に努めたい」と語った。

 今後の安全管理については「乗組員一人一人が事故防止の意識を持つこのとが大切と考えている。機会があるごとに海難防止について意見交換をしたい」と述べた。

 裁決で、操業の中止や避難の基準がなかったと指摘されたことについては「漁業は自然との闘いでもあり、基準づくりは難しく、現場の判断を尊重するしかないが、改めていきたい」と強調。気象状態の把握については「船に航行状態に無頓着な会社はない。あのときの低気圧の発達は異常だった」と弁明した。

 最後に、遺族らに対して「尊い十六人の命を失い、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。冥福を祈りながら弔っていきたい」と話した。
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