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■2水門新設来月から稼働
2008.03.14
旧北上川分流施設改築
洪水防止に力/
 北上川本流と旧北上川の分岐(石巻市桃生町周辺)で、国土交通省北上川下流河川事務所が進めてきた「旧北上川分流施設改築事業」が今月末に完成する。四月以降は新設した二つの水門によって、増水した場合は本流と旧北上川の間を締め切ることが可能になり、旧北上川流域の洪水に対する安全度が大幅に高まる。ただ、河口部には堤防がなく、高潮や津波といった海からの水害には弱い状態のまま。国交省は今年十二月までにまとめる北上川水系河川整備計画に対策を盛り込み、石巻市中心部の治水対策に力を振り向ける方針だ。

 本流と旧北上川の分岐には、本流側の水位が一定以上に達すると、あふれた水が旧北上川に流れる洗堰(あらいぜき)と呼ばれる施設があった。しかし、施設が七十年以上経過し、治水機能も十分ではなかった。

 国交省は一九九六年度から分流施設改築事業に乗り出し、本流と旧北上川を完全に仕切れる脇谷側水門と、鴇(とき)波側水門などの建設を進めてきた。事業費は約百二十億円。治水に直接関係する施設の工事は終わり、〇八年度は若干の工事が残っている。

 脇谷側水門は県道涌谷津山線の柳津大橋近くにあり、本体の長さ二十六メートル、ゲートの高さ一二・八メートル。板状のゲートをワイヤロープウインチで上下させて開閉する。幅十メートルまでの船が通航できる通船部も設けてある。工事では、地震時の液状化に対応するため軟弱地盤を改良した。

 鴇波側水門はJR気仙沼線寄りに位置し、本体の長さ二十メートル、ゲートの高さ三・五メートル。ドラム缶を縦に切ったような特殊な形のゲートで、これを回転させて開閉する。英国のテムズ川防潮水門と同じ構造で、景観に支障を与えないことから国内での採用例が増えているという。

 本流から旧北上川に注ぐ水量はおおむね20パーセント。登米で毎秒千トンの流量があった場合、旧北上川には二百トンが流れる。一九四七年のカスリン台風の被害を機に、北上川下流全体の治水安全度を高めることになり、本流と旧北上川の間を締め切る機能が必要になったという。

 洪水に対する旧北上川の安全度は二つの水門によって高まった。半面、河口部には堤防がなく、高潮や津波への備えはほとんど進んでいない。中心市街地活性化を具体的に進める上でも課題になっている。

 老朽化した脇谷水門や鴇波洗堰などの分流施設は〇四年、社団法人土木学会(本部東京)の「選奨土木遺産」に認定され、過去の優れた分水技術と文化的価値を後世に伝える土木遺産として保存することが決まっている。
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