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■日本随筆家協会賞に大江さん
2008.02.09
本吉町元収入役
初入賞に「言葉評価され うれしい」/
 本吉町元収入役の大江武夫さん(七四)=本吉町午王野沢=の随筆「霊異(りょうい)の凌霄花(のうぜんかずら)」が、第五十七回日本随筆家協会賞に選ばれた。随筆の芥川賞といわれる新人賞で、毎年春(上半期)と秋(下半期)の二回発表している。今回は昨年七月から十二月に寄せられた上半期分で、二千二百六十編の応募があった。

 詩人で随筆家の柏木亜希氏、作家で「月刊随筆」編集長の神尾久義氏、文芸評論家の森聡氏の三人が選者を務め、大江さんをはじめ三作品を選んだ。二十五日発売の「月刊ずいひつ」三月号に作品が掲載される。

 大江さんはこれまで何度か最終選考に残る賞候補に選ばれていたが、協会賞は初の受賞となった。「人は誰でもどこかで借りた言葉を発しているものだと思う。狭い環境の中で生きてきた自分だが、これまで多くの人や物に触れて育てられた言葉や表現が評価されたことはうれしい」と受賞の喜びを語る。

 表彰は下半期の受賞作と合わせ、十一月八日に都内で行われる。

 今回の大江さんの作品は、八年前に死亡した次兄が生前にくれたノウゼンカズラの不思議な話。自宅の庭に植えて十年間全く花を咲かせなかったため、昨年九月、大江さんが近所の人から花がよく咲く別のノウゼンカズラの鉢植えをもらったその日、次兄のノウゼンカズラが初めて開花したという。

 大江さんは「夏の暑さに負けずに咲くノウゼンカズラが好きで、どうしても花が見たかった。ほかに植えようとしたまさにその時に花開いたようで、次兄の意志が故郷に生きていると感じた」と話す。

 これまでにも自然の現象に着目した随筆を書いたことがある大江さんは「言葉に責任を持ち、また大事にしながら、今後も山里の暮らしの中で感性を研ぎ澄まして不思議な現象に目を向けていきたい」と決意を新たにしている。

 大江さんは岩手大農学部卒業後、高校教諭となり一九九五年三月、小牛田農林高教頭で退職。植物に対する造詣が深かったこともあり、第八行政区振興会長だった一九九三年七月から町の要請を受けて広報紙「広報もとよし」に百四十三回にわたって連載した。二〇〇五年にはそれらを一冊にまとめた「本吉 四季の植物」を発刊している。

 収入役は一九九五年十月から二〇〇五年八月まで三期務めた。
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