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■2.51メートル堤防が必要
2008.02.27
旧北上川河口部、津波時の安全確保
河川整備学識者懇談会で説明/
 北上川水系河川整備学識者懇談会下流部会(部会長・沢本正樹東北大大学院教授)が二十五日、石巻グランドホテルであった。国土交通省東北地方整備局側は、整備されていない旧北上川河口部の治水対策について、チリ地震津波と同規模の水害があっても、家屋を守れる高さ(水面から二・五一メートル)の堤防が必要なことを示した。河口部の具体的な治水対策が示されたのは、同部会では初めて。整備局は専門家らの意見を聞きながら、北上川水系河川整備計画を二〇〇八年十二月までにまとめる予定だ。

 整備局は、旧北上川河口部(内海橋より下流)に市街地を守る堤防がなく、たびたび水害を受けている状況や、今後三十年間に99パーセントの確率で発生が予想される宮城県沖地震に備える必要があることを強調。一九六〇年五月二十四日のチリ地震津波を基に、堤防高は最終的に水面から四・一三メートル、現段階では少なくとも二・五一メートル以上必要であることを説明した。

 河口部に堤防を造ることに対し、委員として出席した石巻市の土井喜美夫市長は「堤防の高さは、川と親しめるような高さにしてほしい」と要望し、東北文化学園大科学技術部の木村美智子准教授は「親水性を確保しないと、住民が川から離れていく。水害から住民を守るだけの堤防でいいのか」と質問した。

 整備局の渥美雅裕河川調査官は「脇谷の分流堰が完成し、二〇〇八年度から洪水時の安全性は確保できるが、海からの高潮、津波に対しての安全性は低い」とし、「高さ三メートル以上の堤防にすると、街づくりの面で支障が出るだろうが、まず二・五一メートルの高さで安全性を確保してはどうか。資産を守る視点で取り組みたい」と理解を求めた。

 河口部は、石巻大橋の下流三・六キロが台風や低気圧などの吹き寄せを受け、潮位の変化が著しく上昇する高潮区間に設定されている。

 しかし、堤防があるのは今のところ右岸の住吉公園から内海橋までの区間だけ。二〇〇二年七月には高潮の影響で旧北上川沿いを中心に百二十一戸の床上浸水、百九十四戸の床下浸水があり、二万人近い住民に避難勧告が出された。

 北上川水系河川整備学識者懇談会下流部会は、国が直轄管理する北上川下流の整備計画に対して専門家が意見を述べる目的で昨年五月に発足。十二人で構成し、今回の懇談会で副部会長に石巻専修大理工学部の高崎みつる教授を選任。北上川下流全般の治水対策や利水・環境についても話し合った。

 北上川下流河川事務所は〇七年、河川整備の基本となる「北上川水系河川整備方針」を二十六年ぶりに見直し、「百年に一度の割合で起きるような災害」の治水安全度を「百五十年に一度の割合で起きる災害」に変更している。
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