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■食、環境、地域づくりも担う 2007.10.20
カキの奥深さ、熱く談義
石巻 岸さんら迎えフォーラム/
  食用カキの世界的なルーツになっている石巻産カキの歴史を見つめ、食材としての魅力や可能性を探る「2007世界牡蠣(かき)フォーラム」が十九日、石巻市内で始まった。石巻にカキ養殖を伝え、”世界のかき王”と呼ばれた故宮城新昌の二女で、食生活ジャーナリスト岸朝子さんら著名人を迎えたメーンのフォーラム、工夫を凝らした料理を食べてカキに理解を深める分科会があり、これからが旬のカキの話題で中心街はにぎわった。
 県や市、商工会議所、NPO、観光協会など官民十四団体で構成する実行委員会主催。メーンのフォーラム「牡蠣談義」は石巻グランドホテルで開かれ、水産や観光関係者、市民ら約三百人が参加。宮城新昌の足跡をたどるDVD映像を見た後、岸さんが進行役を務め、環境問題に詳しい作家C・W・ニコルさん、ノンフィクション作家島村菜津さんが食材、環境などさまざまな方向からカキについて語った。

 岸さんは、父や石巻との関係を紹介しながら「カナダの島に行った時、垂下式の養殖棚を見て涙が出てきた。父が残したもので、現在はカキをアラブまで輸出していると聞いた」と振り返り、「カキはビタミンCを持っている数少ない動物性食物。亜鉛もあり健康に良い」と栄養面での長所を強調した。

 ニコルさんは「列島改造論が登場するまで日本には天然の山があった。英国では貴族や金持ちしか食べられないイワナやアマゴ、ヤマメのいる川も多かった。山は酸素や養分をたくさん含んだ水を海に届けている。海のミネラルは、サケが川を上ってクマに食べられて森に戻る。海だけでなく山も大切にしてほしい」と呼び掛けた。

 島村さんは、イタリアの人口三万人足らずの町の祭りを取り上げ「駅を出ると食事券が渡される。役場や学校、民家の庭などでいろんな料理を作っていて、町を一周するとフルコースが食べられるようになっている」と紹介。地域の食材と住民の関係を見直すことで、永続的な地域づくりができる可能性があることを提案した。

 二日目は、岸さんも参加し、親子体験カキ料理教室が午前九時半から石巻中央公民館である。

 宮城 新昌(みやぎ・しんしょう 1884−1974年) 世界のかき王と称され、カキ養殖を石巻に伝えて産地に育てた。沖縄県立農林学校卒業後、米国ワシントン園芸学校で学ぶ。ルーズベルト大統領が天然カキの乱獲問題を憂慮していたことを知り、農政から水産に進路を転換。帰国後、事業の適地に石巻を選び、万石浦に養殖場を設置するなどし、30年には日米両国間の養殖事業促進する国際養蠣株式会社を設立した。世界の食用カキの90パーセントは石巻にルーツがあると言われ、県内産のうち石巻産が60パーセント。

【カキや食、環境などについて語る3氏(左から岸さん、ニコルさん、島村さん)=石巻グランドホテル】
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