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■失態の連鎖で信頼低下 2007.09.29
土井石巻市長
市場移転 オラレ 保育士派遣
「民」への配慮、大局観欠如/
 二十七日閉会した石巻市議会九月定例会で、市が重要課題と位置付けてきた「オラレ石巻」の関連議案が否決され、保育士派遣業務は関係予算を削除されて白紙撤回に追い込まれた。いずれも事業を強引に進める拙速さと説明不足が、批判を膨らませてしまい、市議会の支持を得られなかった。六月定例会で市内慰留を強く求められながら、結果的に石巻青果市場の東松島市移転を招いてしまったことに続く失態の連鎖。オラレ、保育士派遣、青果市場移転は、土井喜美夫市長が議会の求心力と市民の信頼を低下させる「三点セット」になった。背景には「民」に対する思いやりの不足と、市政を運営する大局観の欠如が見える。

 市民が集うコミュニティー施設を併設した競艇場外舟券発売場「オラレ石巻」について、市は当初、中心市街地再興の「一助になる」として、強い姿勢で誘致を進めた。しかし、衰退する市中心部を活性化する施策とオラレがどう連動するのか、全体像が見えなかった。

 経済界が早期策定を熱望する中心市街地活性化基本計画を描くには、確かに時間がかかるだろう。具体的な青写真が示せなくても、活性化に果たすオラレの位置付けをもう一歩踏み込んで示す必要があった。

 なぜギャンブル施設なのか。舟券売り場そのものの是非を問う議案は市議会には必要なかったため、「議論不足」と受け止める市議も少なくなかった。県警との協議が長引いていた期間に、議会と議論を深めることはできたはずだ。

 全体計画があいまいなうちに、事を急いでしまったという点では保育士派遣の失敗も共通する。雇用期間が一年間でいったん切れてしまう臨時・パート保育士をNPOの派遣に切り替えることで、長期安定雇用できる労働力を確保しようとした狙いは分かる。

 しかし、将来の保育所統廃合、民営化という行革との整合性を示せなかった。身分の不安定な臨時保育士たちは、実績のないNPOに移籍する不安を抱えたままだった。三年後の再派遣が「脱法」とされて長期安定雇用のメリットが消えた後も、説明責任を果たさないで議会に提案。危うさを認識しながら派遣に踏み切ろうとした無神経さは理解に苦しむ。

 保育士に先駆けて「民」への配慮不足を露呈した青果市場問題は、根本理由と責任の所在がいまだにはっきりしない。

 市場側が難色を示した厳しい移転条件を、市は事細かな文書にして提出するよう何度も求めた。市場が民営化した際の協定書で生じた解釈の食い違いを埋め、市の財政負担範囲を確認するため必要だったという言い分を市は繰り返している。

 判断の分かれる協定書を作成したのは市の責任だ。なのに市は一方的な主張の「存置整備」(現在地での施設整備)を市場に押し付け、移転を容認しなかった。施設老朽化に困窮している民間会社の設備投資を、市は明らかに縛り付けた。「官のおごり」と言えまいか。

 今や「政争」の枠を超え、市議会の市政不信は強まっている。「三点セット」の処理を誤ったり、新たな失態が明らかになったりすれば、市長に対する問責決議や不信任決議まで発展しかねない情勢だ。オラレ議案否決後「教訓を受け止めて乗り越える」と話した土井市長。行政手腕の真価が問われている。
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