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■捕鯨継承へ思い熱く 2007.07.10
石巻・鯨フォーラムパネル討論会
菅原文太さん「沿岸小型は国が決断」/
 第一回全国・鯨フォーラム2007は二日目の八日、「捕鯨と石巻のかかわり」をテーマにしたパネル討論会を石巻市のビッグバンで開いた。俳優の菅原文太さんが沿岸小型捕鯨の再開と鯨文化の継承に向けて熱い思いを語り、ほかの五人のパネリストも捕鯨基地だった地域の活性化、漁業振興の観点などから沿岸捕鯨を強く支持した。石巻ではぐくまれた多彩な鯨料理を味わうイベントなどもあった。石巻市鮎川のおしかホエールランドでも鮮魚を奉仕値で直売する「とっておきの金華山いちば」などが行われ、好天も手伝い二会場で一万九千人(主催者発表)の人出でにぎわった。

 パネル討論には菅原さんのほか、国際捕鯨委員会(IWC)の政府代表団を務める森下丈二水産庁漁業交渉官、今年のIWCに出席した土井喜美夫石巻市長や加藤秀弘東京海洋大教授、木村稔県漁連会長、鯨料理専門家として石巻で活躍する千田美恵子さんが参加した。

 調査捕鯨船に乗り込んで捕鯨の最前線を取材した経験を持つ菅原さんは「働く人たちの姿に感動した」と感想を話した。大型の商業捕鯨再開が国際的なしがらみで難しいことから「沿岸十二カイリ以内の沿岸捕鯨に特化して再開すればいい。自分たちの海で小さな捕鯨をやりたいという望みなら、IWCの許可などいらないだろう。あとは国が決断するだけだ」と訴えた。

 五月に米国アンカレジであったIWC総会で、IWC脱退を示唆した日本の対応について、森下交渉官は「一歩前に進んだ」と評価。「もう次のステップに移行しても良い時期にきている。そのためには皆さんの支持が必要」と理解を求めた。

 若者が鯨料理を食べ残すエピソードを紹介した土井市長は「下手をすると鯨食文化が途切れるかもしれない」と危機感をあらわに。「このチャンスを逃したら、鯨が捕れるようになっても食べる人がいなくなる。沿岸捕鯨の再開のために全力を尽くす」と力を込めた。

 鮎川などで実施している調査捕鯨や鯨の生態研究に携わっている加藤教授は「鯨は資源を漁業と競合しているから、それを科学的に証明するため調査捕鯨をしている。漁業資源を何でも食べるミンククジラは沿岸漁業資源の少なくても60パーセントを消費している」とミンク捕鯨の正当性を説いた。

 「国は気が弱いし、生ぬるい」と、IWCでの日本政府の対応を批判したのは県漁協の木村稔会長。「日本はIWCから脱退する必要はない。IWCの席で『日本は沿岸捕鯨を再開する』と宣言すれば良い」との持論を強調した。

 鮎川で生まれ育った千田さんは「鯨で繁栄した当時の鮎川は、朝早くから夜遅くまで鯨で仕事する人たちの熱気と活気があった。鯨は余すところなく食べられる世界一の食文化。鮎川のにぎわいを取り戻してほしい」と捕鯨のまち再興を願った。

【沿岸小型捕鯨の再開に向け6人のパネリストが熱い思いを披露し合った=石巻市のビッグバン】
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