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■木造船の木材腐食を科学調査 2007.05.23
サン・ファン・バウティスタ
慶長使節船協会、日本で初の試み
研究部会発足09年度に補修計画策定/
 慶長遣欧使節船協会(一力一夫理事長)は、慶長使節船サン・ファン・バウティスタの復元船保存へ向けた本格的な調査に乗り出した。船側の外板の含水率を計測器で測定するなど、木材の腐食の進行度や原因を特定。「科学的データを用いて木造船の保存方法を探る日本で初めての調査」(同協会)だという。三カ年事業で実施し、二〇〇九年度に調査結果を活用した補修計画を策定する。二十二日の理事会で報告した。

 県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)の跡部進一館長を委員長に、京都大大学院の藤井義久准教授(森林科学専攻)、サン・ファン号を設計した元横浜国立大教授の宝田直之助氏ら九人で研究部会を発足させた。

 サン・ファン号のメンテナンスはこれまで、二人の船大工による目視や、木づちを使った打診をして、補修個所を割り出してきた。

 部会ではこれらに加え、木材水分計や強度計などの測定器を使って船全体を調べる。点検が不可能だった外板や、それを支える肋骨(ろっこつ)材などの木材の内部を診断。腐食の原因とみられる雨水の浸水経路や、木造船が腐食するメカニズムを解明する。

 船内と船外に十カ所程度、温度計や湿度計を設置し、展示環境も詳しく調べる。「放って置けば二十年で駄目になる」(慶長遣欧使節船協会)という木造船を、科学的データを活用することで、百年以上保存しようという試みだ。

 本年度は百五十万円の事業費で、船全体の構造材などを木材水分計などで調査する。〇八年度に木材の腐食を防止する方法を検討し、最終年度の〇九年度、サン・ファン号を保存するための修復計画を策定する。

 跡部館長は「科学的データを使った保存方法を探ることで、現存する歴史を未来へと引き継ぎたい」と話している。

 慶長使節船サン・ファン・バウティスタ 江戸時代初期の洋式の木造帆船。スペイン語で「洗礼者聖ヨハネ」の意。仙台藩祖伊達政宗の命を受け、慶長使節・支倉常長ら約180人を乗せて石巻市の月浦を出港し、太平洋を横断した。復元船は1993年10月に建造された。全長55・35メートル、最大幅11・25メートル、総重量約387トン。建造費16億7500万円。
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