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■64歳の小説家誕生 2007.04.08
夢への第1歩記す
石巻市・西山東吾さん
短編ミステリー出版/
 会社を定年退職した後、一念発起してあこがれた小説家の道を志した石巻市南浜町二丁目、無職西山東吾さん(六四)=本名・山口隆史=が、処女作の短編ミステリー小説「光の道標(みちしるべ)」(新風舎発行)を出版した。夢に一歩近づいたことで「これからも読者に親しまれる娯楽ミステリーを書きたい」と意欲的だ。石巻市などの書店で近く発売される。

 西山さんは東京都出身。中央大卒後、家電メーカーに三十数年勤めた。二〇〇〇年に退職した後、奥さんの故郷の石巻に移り住んだ。

 少年時代は空想するのが大好きで、小学三年の時に東北六県の作文コンクールで金賞を獲得し、高校時代から小説の執筆に熱中した。多忙な会社員時代は遠ざかっていたが、転居と退職を機に活動を始めた。

 初出版は文庫本で、主題の「光の道標」と、同じく短編の「ハーモニカ」の二編構成。いずれも西山さんが八年間暮らした金沢が舞台。石巻や仙台も登場する。西山さんは昨年、二カ月間という短期間に、この二編を同時進行で書き上げた。

 「光の道標」は、恋人に裏切られた女性主人公と末期がんの初老の男性が、死に場所に選んだ樹海で偶然出会ったことをきっかけに、再び生きる道を選ぶというストーリー。「ハーモニカ」は、女探偵の活躍を描いた推理小説。二つの小説には、女探偵が登場する場面でいったんつながり、再びそれぞれの話に戻るという細工もしてある。

 西山さんは「光の道標」を書いた理由を「他人を攻撃せず、自らも死を選ばず、苦悩しながらも生き抜くことが人間の定めであることを言いたかった」。背景には、いじめなどで自殺する子どもが後を絶たない社会の風潮があったという。

 「遅れてきた新人だが、今後は女探偵を主役にした長編シリーズを書きたい」と情熱を燃やす西山さん。「趣味の釣り、地元や鳴子温泉などを舞台にした叙情ミステリーにも挑戦したい」と張り切っている。

 「光の道標」は六百五十円(税別)。石巻市内ではヤマト屋のあけぼの店、湊鹿妻店などで取り扱う。
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