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■熱弁 鯨は日本の食文化 2006.09.05
石巻で語る集い
食料として生かす道探る/
 「鯨と食文化を語る市民の集い」が三日夜、石巻グランドホテルで開かれ、会場をほぼ満席にした約四百五十人の市民が鯨を日本人の食料として生かす重要性について考えた。「クジラ食文化を守る会」(会長・小泉武夫東京農業大教授)が主催し、石巻市鮎川浜での近代捕鯨開始百周年を記念する締めくくりイベントとして石巻で初めて開催された。

 「日本人にとってのくじらとは?」をテーマにしたパネルディスカッションでは小泉教授、土井喜美夫石巻市長、アン・マクドナルド宮城大国際センター助教授、吉川美代子TBSアナウンサーがパネリストを務めた。

 吉川さんは国際捕鯨委員会(IWC)を報道する側のマスコミでも鯨肉を食べたことのある人が少なくなっている現実を問題視。「鯨肉を懐かしく思うだけとか、もう食べる必要のないと考える世代が増えている。鯨食の伝統を残せるのか危惧(きぐ)している」と語った。

 小泉教授は鯨肉を食べる文化の必要性を訴え「輸入牛肉は地球環境を悪化させている。危ない牛肉を減らし、鯨を食料に生かす道は日本民族にとって死活問題。優れた食材の鯨を食べると主張することは、日本が国としての存在意義をアピールすることになる」と述べた。

 土井市長は鯨肉をよく食べる年代が五十代以上になっていることに対し「鯨の食文化を伝統として継承できるか瀬戸際にある」と指摘。捕鯨基地だった地元として学校給食への導入拡大などに努めているものの、調査捕鯨の鯨肉を安く供給するシステムと、商業捕鯨再開への努力を引き続き求めた。

 マクドナルド助教授は「食べていいものと、いけないものを決めるのは、まさしくその国の食文化。人間は生きるために何か生命を犠牲にしなければならない。文化の違いを感情的に言い合うと葛藤(かっとう)が生まれる。調査捕鯨で、科学的データを積み上げることが大切」と述べた。

 ディスカッションの司会を務めた森下丈二水産庁漁業交渉官は、今年のIWC政府代表団の一員。商業捕鯨モラトリアム(凍結)を一九八二年に決めたIWCが感情論先行で機能不全に陥っている最近の状況を説明し「正常化できるか、IWC自体がつぶれるか、ここ一、二年が正念場になる」との見方を示した。

 マクドナルド助教授はディスカッションの前に「漁村・農村から見た日本の誇り再発見」と題して基調講演。少し土地柄が変わるだけで「万華鏡のように変わる日本の食文化」に誇りを持つことを呼び掛けた。

 参加者にはホテル特製の「鯨弁当」が配られたほか、ロビーで鯨肉を加工した地場産品が販売され好評を博した。
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